体操と裁判

体操経験のある弁護士が、裁判になった事案の検討を通じて、体操指導者の注意義務について考えるブログです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

⑧高校生が、部活動で、ロイター板を使用した前方宙返りの練習により、傷害を負った事案(責任肯定)

⑧鹿児島地判平成9年1月27日(判例地方自治168号71頁) 1.事案の概要 平成元年1月14日、高校1年生であったXは、部活動で、ロイター板を用いた前方宙返りの練習時に、回転しすぎマットに頭から落下し、頚椎骨折等の傷害を負った。 裁判所は、…

⑦高校生が、部活動で、ミニトランポリンの前方二回宙返りの練習により、傷害を負った事案(責任肯定)

⑦浦和地判平成3年12月13日(判時1435号109頁) 東京高判平成7年2月28日(判タ890号226頁) 1.事案の概要 昭和60年7月20日、高校2年生であったXは、部活動で、ミニトランポリンを用いた前方二回宙返りの練習時に、開くタイミ…

⑥中学生が、スポーツクラブで、鉄棒のトカチェフの練習により、傷害を負った事案(責任肯定)

⑥東京地判平成3年10月18日(判時1406号51頁) 1.事案の概要 昭和62年10月17日、中学1年生のXは、所属する体操クラブで、指導者Yの補助の下、鉄棒のトカチェフ(背面開脚後ろ飛び越し)の練習時に、大腿部を鉄棒のバーに接触させ、鉄棒…

⑤ 中学生が、授業で、跳び箱の前方倒立回転跳びの練習により、傷害を負った事案(責任肯定)

⑤静岡地富士支部判平成2年3月6日(判時1351号126頁) 1.事案の概要 昭和59年2月23日、中学2年生のXは、体育の授業中、跳び箱(横置き4段、高さ約88cm)で前方倒立回転跳びを実施した際、跳び箱上部前面に頭頂部付近をぶつけ、ほぼ垂直…

④中学生が、授業で、跳び箱の前方倒立回転跳びの練習により、傷害を負った事案(責任肯定)

④鹿児島地判平成元年1月23日(判タ693号169頁) 1.事案の概要 昭和58年11月11日、中学2年生のXは、体育の授業中、跳び箱運動(4段、高さ約73cm)の前方倒立回転跳びを実施した際、跳び箱斜め前方に正座の変形したような態勢で落下し、…